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2017年12月20日掲載

田村 努   Tsutomu Tamura 舞台写真・Web制作
Stage Photo, Web Creation
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 Dance Art 2017   New Work


2017年10月13日に、柳宏子さんが主催する「Dance Art 2017」が栃木県総合文化センターサブホールで開かれました。柳さんは毎年夏に八雲神社のお祭りで奉納披露される野外演劇「山あげ」で有名な烏山のご出身で、烏山と宝積寺にスタジオを構え、モダンダンスとその基礎となるバレエを教えることはもちろん、自らも多彩な作品を踊って、ほぼ隔年ペースで烏山や宇都宮でリサイタルを開いておいでの方です。

私も長いこと柳さんの作品に接してきましたが、この方は極めて強い郷土愛に立脚した作風を特徴としておいでで、「からす」「いちょう」など、スタジオの生徒さんのための作品の中にも心を打つ佳品が数多く存在します。今回は実妹である常磐津津紫摩さんの演奏を伴って舞台に立ち、山あげでは特に多く演じられる「将門」をモチーフにした「山あげに想う」をモダンダンス作品として発表なさいました。

また、この日はコンテンポラリーダンス/ジャズダンス分野のゲストを迎えて様々な洋舞を提示したほか、さいたまを拠点とするアキオキムラ氏、宇都宮を拠点に大活躍中のマユミフクダさんと妻木律子さんとともに自らも踊るアキオキムラ作品「通り雨」が上演されました。

当日ゲネプロだけ取材させていただき、主催者と各出演者にネット公開の許可をいただきました。以下にご紹介します。
Dance Art 2017
2017年10月13日, 栃木県総合文化センター サブホール (宇都宮市)
舞台監督:山中一栄
照明:芦部 正 〈(株)ホライズン〉
音響:高崎利成 〈ハーティーワークス〉
企画・制作:柳 宏子
主催:ヒロコ ダンス スタジオ

撮影:2017年10月13日 (ゲネプロ)
機材:ニコン D850, AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR.
   ニコン D500, AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR. (50 と 72 のみ)


各画像をクリックすると拡大表示されます。Click to enlarge.
各画像の著作権はすべて撮影者に帰属します。
二次使用は固くお断りいたします。



01-10   「山あげに想う」
出演: 三味線 常磐津津紫摩, ダンス 柳 宏子

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11-15   「陽炎」
16-21   「MR. PAGANINI」

振付: 山響康裕, 出演: 江崎雅子

山響康裕さんは(一社)ジャズダンス芸術協会の常任理事。江崎雅子さんは富山を拠点とする江崎磨智子ダンスカンパニーでジャズダンスを教えるとともに踊っておいでの方ですが、国際医療福祉大学在学中は柳さんに師事なさっていらしたそうです。

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22-32   「ピアソラを踊る」
 1. 22-26   「オプリビオン (忘却)」
 2. 27-32   「エスクアロ (鮫)」
振付: 柳 宏子, 出演: 工藤彩奈

工藤彩奈さんは宇都宮の老舗バレエスタジオ 橋本陽子エコール ドゥ バレエ出身で、豊田バレエ学校を経て小林紀子バレエシアターに入団して活躍なさった方。この12月半ばにはマレーシアへ移住して現地のカンパニーに参加なさるとか。ますますのご活躍を期待します。

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33-49   「Our Favorite Things」
振付: 橋本佳歩, 出演: 橋本悠香, 橋本佳歩, 細川慎二(演奏)

前述の工藤彩奈さんも師事していらした橋本陽子先生は宇都宮と栃木県にバレエを広めた大功労者で、2014年度の栃木県文化功労者に叙せられておいでです。橋本悠香さんと佳歩さんご姉妹はそのお孫さんで、このところ妹さんの佳歩さんが振り付けてお姉さんの悠香さんと一緒に踊る作品を提示していらゃっしゃいます。まったく個人的には、この組み合わせが実に魅力的に思えます。今後ともこのコンビネーションで活躍してくださるといいんですが。ちなみに34と49のシモテ(向かって左)側が悠香さん、カミテ(向かって右)側が佳歩さんです。細川さんはここに出した写真には写っていません。ごめんなさい。

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50-72   「通り雨」
振付: アキオキムラ, 出演: マユミフクダ,妻木律子, 柳宏子, アキオキムラ

アキオキムラさんは浦和を拠点に活躍しているジャズダンサー。マユミフクダさんはジュンキョウヤ/エムザブロウ氏に師事したジャズダンサーで、MF Jazz Ballet Company (MBC) を主宰して宇都宮をはじめ栃木県内で広く教授しておいでの方。素晴らしいダンサーが何人も育っています。もうここでもおなじみの妻木律子さんは正田千鶴さんに師事なさり、今ではお弟子の筆頭格とも言うべき存在。宇都宮を拠点とすることにこだわり続け、ダンスセンターセレニテを主宰して、昨年の Dance Triple Bill に出演した竹内梓さんなど、こちらも優れたダンサーを輩出しています。

「通り雨」は、アキオキムラが3人の女性ダンサーに触媒として作用したら、それぞれがどんな踊りを見せてくれるだろう、みたいな作品。三者三様の持ち味が濃密に出ていて、大変興味深いことでした。赤い衣裳がマユミフクダさん、青い衣裳が妻木律子さんです。

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73-84   番外:「5人の会」ダンス 妻木律子
 73-80   「虚空」
 81-84   「木霊 笑う 歌う」
撮影:2017年12月5日, 宇都宮市 旧篠原家住宅
機材:Nikon 1 V3. レンズ:1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6

宇都宮市立城山西小学校では、郊外にある小規模校であることを逆手に取って、文化人=芸術家を講師に招いて書道・彫刻・陶芸・琴・ダンスの教育を実践するなど「豊かな人間力の育成」を目指し、自然豊かな地域と連携した特色ある教育を行おうと様々な取り組みを行っています。「5人の会」は同校に講師として招かれている芸術家たちが10年目を機に何かしようとする催しで、このほどJR宇都宮駅近くの国指定重要文化財「旧篠原家住宅」で作品発表が行われました。

5人のうちのひとり、ダンスの妻木律子さんは、旧篠原家住宅の歴史と存在にちなむ新作ソロ「虚空」と、城山西小の運動会で10年間にわたって全校生徒に踊り継がれてきた作品をリニューアルした「木霊 笑う 歌う」のソロバージョンを披露なさいました。

当日写真撮れるかどうかわからなかったので、とりあえずニコワンだけ持って会場に行ったんですが、何とかOKをいただいて本番を撮らせて貰えました。小型軽量を旨とするニコワンですが、小撮像フォーマットの小画素ピッチに起因する高感度ノイズと、人一倍指が太くて不器用な私にはまるで不向きな操作性には泣かされました。しかしサイレント撮影は実に有用ですし、ニコワンのEVFなら (なんとか) 踊りも撮れました。とは言えD850の画と並べて置くのは酷な話ですが...

いわゆる「ミラーレス」機をいじっていると、1カット毎にミラーをバタバタさせるなんてまったくの時代遅れだと強く感じます。しかしながら、鳴り物入りで登場した某社新機種のEVFがとても踊りには使えないような代物だったりして、まだまだ発展途上だとも思います。撮像素子のサイズはAPS-C程度でいいから、タイムラグのないEVFが付いていて高感度耐性に優れ、サイレント撮影ができて指が太くても操作性が高い機種の登場を切望します。

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