久々に踊りの写真です。宇都宮市吉野に自らの活動拠点としてアートコミュニティ空間「be off」を開設し、精力的な活動を続けておいでのダンサー・コレオグラファ 妻木律子さんが、久しぶりに自作のリサイタルをなさいました。
空谷の跫音は「くうこくのきょうおん」と読み、谷に響く足音のことだそうです。何の足音でしょう。いろいろな解釈ができるかと思いますが、私には誰にでも迫り来る「老い」や「死」の足音のように思えました。ダンサーとてそれらには抗えず、もちろん受け入れるしかありません。そのことに葛藤しながらも、できるだけ理知的に自らの来し方と行く末を見つめようとする、そんな妻木さんの現在がこの作品を通して赤裸々に表出されていたように思います。自らの心の底ををさらけ出して「表現する」ことを行うんですから、自作自演のダンサーとは、なんとも勇気のいることです。
ラスト前、グレツキの曲が消え行こうとする中、墓標のように浮かんでいる風船とダンサーが絡むシーンは実に印象的で、動きをもってして静寂や静謐、悠久と言ったことを表現するのもダンサーの仕事であり、妻木さんはそれができる人なんだと改めて思いました。しかし、そう言ったことを写真にするのは難しい... はい、言い訳です。ごめんなさい。各カットの番号が飛び飛びになっていますが、気にしないでください。
「空谷の跫音」
作・出演:妻木律子, 照明:御原祥子, 美術:梶原良成
音響:近藤 歩, 照明アシスト:近藤珠美
'Footsteps sounding through a valley'
Dance and Choreography: Ritsuko Tsumaki,
Ligiting Design: Sachiko Mihara, Decor: Yoshinari Kajihara
Sound Engineer: Ayumi Kondo, Ligiting Assistant: Tamami Kondo
March 27-29, 2015 at 'be off', Utsunomiya City
撮影機材:ニコン D600, D7200. レンズ:AF-S 24-120mm f/4G, SIGMA 50-150mm f/2.8 DC OS HSM. 2015年3月27日撮影
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