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2014年5月20日掲載

田村 努   Tsutomu Tamura 舞台写真・Web制作
Stage Photo, Web Creation
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 鉄道写真の愉しみ III   JR日光線
  JR Nikko Line - The Joy of Railway Photographs III   New Work


JR日光線もご近所路線ですが、地味な通勤・通学路線と言うこともあって今まであまり足が向かず、このシリーズ初回は圧倒的な手抜きで済ませてしまいました。このままじゃまずいよな、と言うわけで、今回はJR日光線特集です。

宇都宮から日光へ至る鉄道路線は1890(明治23)年、日本鉄道日光線として6月1日に今市まで仮開業し、同年8月1日に日光までの全線が開通して開業式が行われました。当時の停車場は宇都宮を出ると砥上(とがみ)、鹿沼、文挟、今市、日光で、1903(明治36)年9月に砥上駅を移設して鶴田駅が開業、1906(明治39)年の国有化を経て、1929(昭和4)年11月に下野大沢駅が新規開業して現在の形になりました。電化されたのは1959(昭和34)年9月のことです。

かつては上野と日光を結ぶ優等列車が設定され、東武鉄道と誘客競争を繰り広げていましたが、国鉄が負けて競争をやめてからは極めて地味な通勤・通学路線になっています。国鉄時代は115系・165系電車などが走っていましたが、1987(昭和62)年のJR発足後、1988(昭和63)年から107系電車に代わり、2013(平成25)年3月からは205系600番台に置き換えられて現在に至っています。

開業120周年を前にした2008(平成20)年からレトロ基調のテーマデザインが導入され、日光線用車両の塗色変更、日光のシンボルをデザインしたエンブレムステッカーの貼り付け、各駅の駅名標交換、宇都宮駅5番ホーム壁面と柱の塗装などが行われました。車両へのステッカー貼り付けは205系600番台の日光線用編成にも引き継がれています。



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二次使用は固くお断りいたします。





01 2014年5月17日 842M
   宇都宮
宇都宮駅に入ってくる日光線の列車。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

02 2014年5月17日 840M
   宇都宮
日光線の列車は宇都宮駅5番線に発着します。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

03 2014年5月14日 8841M
   宇都宮-鶴田
東北本線と分かれて日光へ向かう修学旅行列車、いわゆる「集約臨」。春と秋の修学旅行シーズンには、ほぼ毎日運転されます。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

04 2014年5月14日 842M
   鶴田-宇都宮
宝木台地を降りて宇都宮駅へ向かう205系電車。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

05 2014年5月16日 840M
   鶴田
かつては大谷石の集散地として栄えたほか、富士重工宇都宮製作所で製造された鉄道車両がこの駅を経由して運ばれていました。現在は住宅地の中の旅客専業駅です。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

06 2014年5月17日 9881M
   OSANPO NIKKO 1号
   鶴田-鹿沼
鶴田を出て宇都宮環状線を過ぎると、車窓の光景は市街地から田園風景に変わります。右端に小さく見えている山は筑波山です。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

07 2014年5月11日 822M
   鹿沼-鶴田
日光からの上り始発列車。この日は女峰山が綺麗に見えました。
Nikon D3300, AF-S 80-400mmVR

08 2014年5月9日 853M
   鶴田-鹿沼
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

09 2014年5月19日 844M
   鹿沼-鶴田
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

10 2014年5月19日 8846M
   鹿沼-鶴田
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

11 2014年5月16日 8841M
   鹿沼-文挟
文挟駅ホームから撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

12 2014年5月12日 837M
   文挟
文挟駅は例幣使街道に接していて、すぐ脇が杉並木です。
Nikon D3200, DX 10-24mm

13 2014年5月12日 844M
   文挟
文挟駅で交換する843Mと844M。
205系600番台は12編成ありますが、日光線カラーになっているのは4編成だけです。時々東北本線カラーの編成も使われます。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

14 2014年5月16日 842M
   下野大沢-文挟
遮断機が下りる前の踏切内で撮影。
縦曲線が入ると、直線区間のレールも実にセクシーです。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

15 2014年5月10日 8841M
   文挟-下野大沢
向かって左側の山は、かつて板橋城が置かれていた城山です。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

16 2014年5月16日 848M
   今市-下野大沢
下野大沢駅ホームから撮影。
同じ50kgNレールが使われている軌道ですが、東武線ほど滑らかではなく、なまめかしさに欠けるのが残念です。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

17 2014年5月14日 848M
   下野大沢
発車を待つ上り列車。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

18 2014年5月10日 8846M
   今市-下野大沢
東武日光線との交差地点。ガードが右下がりなのは、東武線が25‰の勾配だからです。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

19 2014年5月10日 848M
   今市-下野大沢
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

20 2014年5月10日 845M
   下野大沢-今市
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

21 2014年5月10日 845M
   下野大沢-今市
20と同じ列車。背後の木立は例幣使街道の杉並木です。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

22 2014年5月16日 8846M
   日光-今市
向かって左から男体山、大真名子山、小真名子山、女峰山、赤薙山。日光連山をほぼ一望できます。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

23 2014年5月14日 854M
   日光-今市
向かって右側の木立は日光街道の杉並木です。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

24 2014年5月14日 847M
   今市-日光
中央の背高なマンションのすぐ左側に日光駅舎が見えています。左奥のピークが赤薙山。稜線上にコブのように突き出ているのは丸山です。マンションの奥、大谷川を越えた先から赤薙山の東側斜面一帯が霧降高原です。847M列車は画像の右端に写っています。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

25 2014年5月18日 835M
   今市-日光
日光駅直前まで25‰の急勾配が続きます。835M車内より撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

26 2014年5月18日 9881M
   OSANPO NIKKO 1号
   日光
日光駅ホームから撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

27 2014年5月16日 843M
   日光
かつては貨物も扱われていて側線が何本もありましたが、いま、そうした線路はすべて撤去されてしまいました。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

28 2014年5月14日 852M
   日光
発車を待つ上り列車。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR


JR日光駅

前述の通り日光駅の開業は1890(明治23)年8月ですが、現在の駅舎は1912(大正元)年8月に建て替えられた2代目のものです。凜とした木造洋館で、1997(平成9)年には関東の駅百選に選ばれました。2009(平成21)年には、日光線開業120周年記念事業の一環として駅舎内部が改装されています。また、JR日光線のシンボルとしてこの駅舎を正面から見た姿のイラストが使われています。


29 駅舎全景 2014年5月14日撮影。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

30 正面入口 ファサードの屋根と床面との間で平面反射が生じ、柏手を打つと鳴竜のような音がします。これにちなんで、天井に鳴竜を模した画が描かれています。
2014年5月14日撮影。
Nikon D3200, DX 10-24mm

31 コンコース 宇都宮駅を除く日光線内では唯一、本格的な自動改札機や「みどりの窓口」が設けられています。
2014年5月14日撮影。
Nikon D3200, DX 10-24mm

32 待合室 2014年5月14日撮影
Nikon D3200, DX 10-24mm

33 階段手摺柱 2階へ上がる階段踊り場の手摺り柱。
2014年5月14日撮影。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

34 ホワイトルーム かつて一等客待合室だった2階は「ホワイトルーム」として一般に貸し出されています。一等車の識別色が白だったことが名前の由来でしょうか。催し物がないときには写真展会場として常時公開されています。
2014年5月14日撮影。
Nikon D3200, DX 10-24mm

35 団体用改札口 国鉄の香りを強く感じます。
2014年5月14日撮影。
Nikon D3200, DX 10-24mm

36 貴賓室 大正時代に使われていたと言う貴賓室。2009年のリニューアル当初は週末などに一般公開されていたようですが、現在では公開予定は「まずありません」とのことです。
2014年5月14日撮影。
Nikon D3200, DX 10-24mm

37 線路終端 ホーム有効長は11両分あります。客車列車の機関車を付け替えるための「機回し」用ポイントが設けられていますが、相当長い間にわたって使われていないようです。
2014年5月14日撮影。
Nikon D3300, AF-S 28-300mmVR

38 東武日光線のガード 向かって右側の3線は東武線開業当初からのもの、左側2線は後から増設されたものです。
2014年5月14日撮影。
Nikon D3200, DX 10-24mm

39 東武日光駅へ進入する
   E253系「日光1号」
JR車両の特急列車が自社線の日光駅を横目に東武線の日光駅に到着します。
2014年5月18日撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR


鶴田駅の跨線橋など

鶴田駅の跨線橋は1911(明治44)年に浦賀船渠株式会社で製造されたもので、設置から100年以上を経ています。2008(平成20)年度に経済産業省が選定した「近代化産業遺産群 続33」の中で、「全国に遍く人と物を運び産業近代化に貢献した鉄道施設の歩みを物語る近代化産業遺産群」の一つに選ばれました。

2013年後半から2014年3月にかけて、JR日光線と烏山線では各駅のリニューアルが行われました。ほとんどの駅では蹴上部分が石張りになるなど、跨線橋階段も綺麗になりましたが、この鶴田駅跨線橋だけは手を加えることなく、元のままとなっています。

1981(昭和56)年1月10日に落合書店から発行された大町雅美「栃木県鉄道史話」の169ページに、「鶴田駅の風景」としてこの跨線橋を含む写真が掲載されています。年代は不明ですが、非電化時代ですから、少なくとも1959(昭和34)年よりも前のものだと思われます。跨線橋やホームの姿は、今とまったく変わらないように見受けられます。(画像をクリックして拡大)

別の話ですが、かつて鶴田駅は大谷石の集散地として機能し、東武大谷線(軌道線・軽便線)がここと大谷とを結んでいました。軌道線は軌間610mmのナローゲージ。軽便線は軌間1067mmで、本線は東武宇都宮線の西川田と大谷とを結んでいましたが、途中新鶴田信号場から分岐して鶴田駅に至る支線が設けられていました。その路線の遺構である石造りの橋台が鶴田駅のすぐそばに残っています。軌道線の跡地は専売公社専用線を経て、現在は「なかよし通り」と名付けられた歩行者・自転車専用道路になっています。

また、2002(平成14)年までは近くにある富士重工業株式会社宇都宮製作所で鉄道車両が製造されていて、できた車両は専用線で鶴田駅まで来て、そこから貨物会社の機関車に牽かれて納入先へ運ばれていました。その専用線の一部が今でも残っています。


40 跨線橋全景 2014年5月16日撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

41 駅舎側登り口 向かって右側には「明治四十四年 鐵道院」、左側には「浦賀船渠株式會社製造」との銘が刻まれています。
2014年5月18日撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

42 支柱部分 2014年5月16日撮影
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

43 支柱部分 2014年5月17日撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

44 支柱部分 2014年5月18日撮影
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

45 支柱部分 2014年5月18日撮影
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

46 ブレス部分 2014年5月17日撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

47 東武大谷軽便線の遺構 1926(大正15年から宇都宮軌道運輸が鶴田と大谷を結ぶ鉄道路線を作り、1931(昭和6)年に東武鉄道に買収されて東武大谷線(軽便線, 軌間1067mm)として1964(昭和39)年まで運行されていました。往時の遺構が、鶴田駅のすぐそばに残されています。
2014年5月16日撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR

48 富士重工業専用線 かつては鶴田駅と富士重工業宇都宮製作所を結ぶ専用線があり、2002年度まで宇都宮製作所で製造されたディーゼルカーなどが日光線を経由して搬出されていました。東武宇都宮線との交点付近にその遺構が残っています。
2014年5月17日 日光線840M車内より撮影。
Nikon D3300, DX 18-300mm f/3.5-6.3VR


その他

49 205系あれこれ

50 JR日光線
   ステッカーコレクション



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